夢見る前に、夢見るように

 塞がれたあなたの喉。くちびるを落として涙は落とさなかった。  もう聴こえないあなたの声。耳を澄ませて思い出は帰らなかった。  手を繋いでくれたあなたの手のひら。冷たくてもう思い出せない。  大好きだったあなたのこと。なぜか、他人事ひとごとのように感じてた。  今日はそうとしか思えなくて、きっと明日もそう思ってて、  でもきっと昨日はそう思ってなくて、けどいつかは。  いつかは、あなたのことを思い出せるかと思い、目を閉じた。